“シリコンバレー離れ”も

2021年01月14日の日刊工業新聞「グローバルの眼」に掲載された当社牧野の記事を再掲します。
※本記事の転載は日刊工業新聞の許諾を得ています。
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ハードウエア・スタートアップ支援 米で拡大
大企業による「シリコンバレー離れ」が止まらない。2020年12月にヒューレット・パッカード・エンタプライズが本社をシリコンバレーのサンノゼ市から、テキサス州ヒューストン地域へ移転する計画を発表。さらにオラクルは同中旬に本社をシリコンバレーのサンマテオ市から、テキサス州オースティン市に移転したことを明らかにした。
シリコンバレー離れは同地の老舗企業に限らない。電気自動車の世界的リーダーであるテスラのオースティンへの移転計画も報じられた。
シリコンバレーの新興スタートアップが、フロリダ州マイアミへ移転しているトレンドも話題になっている。
前稿で述べたように、Monozukuri Venturesは5年以上前からシリコンバレー以外の米国の「スタートアップ都市」に注目してきた。拠点として構えたニューヨークの次に目をつけたのが、ペンシルベニア州ピッツバーグだ。
日本ではあまり知られていないが、人口30万人強の米国の中規模都市のピッツバーグは、「自動運転技術」の世界的な拠点である。先月、オーロラ・イノベーションに売却されたウーバーテクノロジーズの自動運転技術部門はピッツバーグを拠点としており、同社が公道での自動運転テストを最初に実施したのはピッツバーグだった。
フォードやフォルクスワーゲンが出資する自動運転技術のOEM会社であるアルゴAIもピッツバーグに本社を置く。
こうした自動運転のコア技術を開発するスタートアップがピッツバーグを拠点としているのは偶然ではない。ロボット工学で世界的に有名なカーネギーメロン大学がピッツバーグにあるからだ。ロボットには自律走行技術が欠かせないため、カーネギーメロン大学出身の技術者たちが、自動運転技術を開発するスタートアップに多数参画している。
私たちはピッツバーグのスタートアップとの関係性を強化するため、2016年からは地元のアクセラレーターと協力して、ハードウェア・スタートアップをPRするためのビジネスプランコンテストを開催している。
コンテストの主催者であるハードウェアアクセラレーターのアルファラボ・ギアのイラーナ・ダイアモンド創業所長(2020年11月に退任)は、「スタートアップはもてはやされているが、ハードウェア企業に対しては、メディアの関心も投資家の動きも不十分。この状況を解消するためにコンテストを始めた」と説明。日本での予選開催を支援してくれた。
日本予選「Monozukuri Hardware Cup」は2017年から毎年開催され、コンテストの上位に食い込んだ日本のハードウェア・スタートアップ3社をピッツバーグで開催されるHardware Cupの決勝会場に毎年、送り込んできた(2020年はコロナのため、決勝にはリモートからビデオで参加)。決勝に参加したスタートアップ、同行した行政関係や大企業の方々は、シリコンバレーほどリソースが整っていない都市で、どのようにスタートアップを支援するのかを見聞きして学んできた。
今年2月、第5回を迎える日本予選が京都で開催される(応募締め切りは1月22日)。今年も日本のハードウェアスタートアップが世界のスタートアップとしのぎを削る。日本のハードウェアスタートアップが米国で羽ばたく日も近い。


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