新興企業「リアル」を転換

2021年02月11日の日刊工業新聞「グローバルの眼」に掲載された当社牧野の記事を再掲します。
※本記事の転載は日刊工業新聞の許諾を得ています。
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米、急速に進むリモートワーク
シリコンバレーでは、アップルやグーグル、フェイスブックといった大手テック企業は、シリコンバレー南部に大きな「キャンパス」と呼ばれる広大な敷地に自社ビルを構えている。しかし、パンデミック以降、リモートワークが定着し、オフィスは閑散とした状況が続いているという。
米国では長引くコロナ禍のため、オフィスや工場、小売店舗などのデジタル変革(DX)化が水面下で急速に進んでいる。
こうした事態は、長期ロックダウン(都市封鎖)による賃貸オフィスの空きスペース急増、小売業の電子商取引(EC)シフトによるリアル店舗の配送センター化、工場や倉庫での度重なる集団感染など、ビジネス環境の急激な変化によるところが大きい。
まだ顕在化していないが、2021年は、こうした「リアル」のビジネスのデジタル化を推進するスタートアップ企業が、米国から一気に登場すると見られる。
大手企業の動きも活発だ。一世を風靡したコワーキングスペース企業であるWeWorkはリモートワーク全盛にもかかわらず近々、黒字化を果たし、再び上場の機会をうかがっているとされている。
また食料品など生活必需品を扱う小売店でも、コロナ禍で来店者が激減。代わりに急増したのが、店頭で販売されている商品を「配達人」が顧客の代わりに購入し、家まで届けるというビジネスだ。アマゾンの子会社であるホールフーズは、2020年秋に、一般客が入れない、配達人専用の店舗をニューヨーク市内にオープンし、急増するオンライン注文に対応した。
米国では、工場の操業も、コロナの影響を大きく受けた。特に食品工場では、たびたび集団感染が発生。またアマゾンの倉庫でも、コロナの集団感染が起きた。労働者への安全措置が不十分だとして、労働組合によるストライキの発生や、食品の安定供給のために大統領が食品工場の経営に干渉するなど、大きな話題になった。その結果として、工場の従業員の安全対策として、労働者のソーシャルディスタンスやコンタクト・トレーシング(接触確認)を実施する必要が発生した。
こうした、今までにない新たなニーズを解決するために、米国では20年に多数のスタートアップ企業が生まれた。「リアル」のビジネスを、デジタル技術で根本から変えてしまうような技術を持ったスタートアップ企業が、今年は一気にメインストリームになり、日本でも存在が知られてくると見られる。 Monozukuri Venturesでは、工場やオフィス、店舗のデジタル化に不可欠なスタートアップを、日本では注目されていない段階(いわゆるシードステージより前)から注目し、必要に応じて出資している。特に小売業の分野ではニューヨークなどの東海岸、工場向けの分野では製造業が集積する中西部に多くのスタートアップが登場しているため、シリコンバレー以外のスタートアップにも積極的にアプローチしている。日本の企業の方々にも知っていただく機会を設けるため、定期的にデモデーなどを実施し、実証実験などでサービスの利用を検討する機会を提供していく。

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