”開拓者精神”で認知拡大

2020年12月10日の日刊工業新聞「グローバルの眼」に掲載された当社牧野の記事を再掲します。
※本記事の転載は日刊工業新聞の許諾を得ています。
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Monozukuri Venturesの日本の拠点は京都、米国の拠点はニューヨークである。なぜシリコンバレーにないのか? 理由はニューヨーク拠点を立ち上げた私の経歴に関係している。
私は2003年からサンフランシスコに本社があるウェブ系スタートアップを経営しており、東京と西海岸を行き来していたが、2010年の売却時に「これからはシリコンバレー一極集中の時代は終わる」、「ウェブ技術を活用したハードウェアスタートアップが台頭する」と予感した。そこで今後、急成長するスタートアップ都市で、ハードウェアスタートアップを支援する新事業を立ち上げようと考えた。
シリコンバレーはソフトウェア・エンジニアが集積しており、ウェブ系は安価に素早く起業できるため、雨後の筍のように新しいスタートアップが生まれている。しかし、ハードウェア系は失敗事例も多く、資金調達も難しいため、起業の主流にはなっていない。
独自調査の結果、東海岸地域、特にニューヨークは、当時は注目は低かったものの、伸びしろがあると考えて、2011年の夏に自ら移り住む計画を立てた。東日本大震災やビザの問題でニューヨークへの移住は2014年にずれ込んだが、2015年2月にはFabFoundry社(Monozukuri Ventures米国法人の前身)を設立し、ニューヨークのスタートアップ・コミュニティを盛り上げるべく、自ら活動を始めた。
ニューヨークの日本人は20年以上、減少の一途で、スタートアップとの関わりは皆無であった。しかしニューヨークの人々、特に若い人々にとって日本は憧れの国であり、特に質の高い日本製品には高い関心を持っていたため、私のコミュニティへの浸透はとてもスムーズだった。
2015年後半に身内の不幸と長期入院があり、半年ほど会社を休止した結果、社員が全員辞めてしまうというハプニングがあったが、2015年冬には世界一のデザイン大学Parsonsが始めたアクセラレータープログラムXRC Labsに参画できることになり、ニューヨークにおけるスタートアップとのネットワークが大きく広がった。ただし社員がいなくなり、入院後も介護が必要な家族の存在もあり、現地で社員を採用するのではなく、日本企業とパートナーシップを結んで、今まで築いたスタートアップとのネットワークを活用する方針に転換した。
そんな中、日本のモノづくり技術を米国のスタートアップに適用していきたいと考えていたMakers Boot Campの牧野と出会い意気投合。2016年夏にニューヨークの起業家を京都に招待し、日本流のモノづくりでスタートアップを支援するプログラム「Monozukuri Bootcamp」を開催した。これが京都のモノづくり企業や、彼らを支援する金融機関に理解され、この動きをさらに推進するために、日本と米国のモノづくりスタートアップに支援する初のVCファンド「MBC試作ファンド」の設立につながった。
2020年11月までに、ニューヨークを中心に東海岸地域で14社(米国全体で17社)のハードウェアスタートアップに投資をし、今では米国全土のハードウェアスタートアップから問い合わせが来るまでに認知が向上した。

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