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京都の若手起業家ら、2018年の抱負を語る〜第16回Monozukuri Hub Meetupから
2018年、次の個人的な挑戦はもう見つかっただろうか? Makers Boot Camp (MBC)は、学生起業家、プロトタイピングのプロフェッショナル、スタートアップらに、通年を通して役に立ちそうなティップスをシェアしてくれるようお願いした。
2018年の初め、今こそ、昨年やり終えたことを踏まえ、これからの数ヶ月の改善計画を練る時期だ。Makers Boot Camp にとって、昨年は MBC Shisaku Fund のローンチなど成功に満ちた年だったが、どんな事業にも改善すべき点は常に存在する。
2018年も引き続き、我々は若いメイカーの間で、起業の重要性を(就職ではない)オルタナティブなキャリア選択肢として広めていきたいと考えている。数多くの革新的な大学や先進的な研究機関がある京都は、研究を優れたビジネス機会と組み合わせる上で絶好の場所の一つだ。
Makers Boot Camp CEO の牧野成将氏は、次のように語った。
学生が起業キャリアを追求できるよう支援することは、日本のスタートアップシーンに寄与することになるだろう。
若手起業家に行動を促すさまざまなアプローチには、ハードウェアツール、メンターのアドバイス、ワークショップへのアクセスなどがある。牧野氏は開演のスピーチで、学生たちに「Kyoto Makers Garage(KMG)」の無料設備を活用してほしい、と述べた。以前は乾燥海苔の倉庫として使われていたこのコワーキングスペースは、2017年9月のオープン以降、志を同じくする人々の集まる、賑わいのあるブルックリンのようなコミュニティエリアへと急速に変貌を遂げた。
富士製作所に勤務する山下氏は、2018年の挑戦として京都試作ネットの Monozokuri Club に参加すると発表した。香川生まれの山下氏は、ハードウェアへの情熱を持ちつつ新しいプロダクトを作ることが、成功する上での重要な戦略だと考えている。
京都学生起業部
京都工業繊維大学の Ryota Nakahara 氏と Shun Sakuma 氏は、日本経済を加速する新世代の代表的存在だ。大阪イノベーションハブが主催した2年前のシリコンバレーツアーの後、二人は他の学生たちと組んでスタートアップクラブ「京都学生起業部」を設立し、スタートアップのビジネスアイデアを醸成しはじめた。メンバーらがいくつかの先進的なコンセプトを打ち出したことから、このイニシアティブは成功したと言えるだろう。このスタートアップクラブから生まれたコンセプトには、次のようなものがある。
- AgriKeeper(アグリキーパー)……農家を鹿の侵入から救う、合理的で安全な忌避剤
- Untilet(アンティレット)……トイレの臭い計測デバイス
- ACBALL……野球選手のための IoT ボール
京都学生起業部は、ビジネスアイデアを醸成し、自らを大学新入生に宣伝することで、社会に価値をもたらすことを目指している。
Hoplite Power
スタートアップを立ち上げる上でビジネスを要領よくマネージするには、さまざまな役割を一人でこなす必要がある。ニューヨークを拠点とする Hoplite Power は、スマートフォンを街中で充電できるシェアリングネットワークを開発している。同社の Nikolas Schreiber 氏は、起業精神と技術力を組み合わせることの重要性を強調した。
あなたに世界で最も素晴らしいプロダクトを作り出せる可能性はある。しかし、それが実現不可能で売れないもなら無意味だ。他方で、あなたには世界で最高のセールスパーソンになれる可能性もある。しかしプロダクトを実現できばければ、営業活動は意味をなさない。
Hoplite Power の3人の共同創業者は2014年、初めにプロダクトの実現可能性を証明すべく、ニューヨーク・クイーンズのオフィスでプロダクトを一からデザインし組み立てた。彼らはブートストラッピングのメソッドに従って小資本で会社を設立、レンタルのバッテリーデバイスを作り上げた。まもなく、彼らは投資家の目に止まることになる。2017年、Hoplite Power は MBC Shisaku Fund によりビジネスを加速、日本でビジネス開発を展開する計画を発表した。新しいプロトタイプには、入手が容易でスリムな、市中で購入可能なタイプに似たバッテリーが採用されている。この1年間にも似たようなプロダクトが世の中に現れたが、Hoplite Power のシステムは、人々がスマートフォンを充電できるサービスをユニークな方法で提供することになるだろう。
Schreiber 氏からのティップスは次の通りだ。
- チームとリソースを築き上げよう。自分のチームがどんな人材やアセットを持っていて、他チームとの違いを認識しよう。
- コアコンピテンシーを認識しよう。自分で何ができて、外部にどんな助けを求められるかを考えよう。
- 物事の変化や不確実なことに準備しておくよう心がけるべし。
- 自分がわからないことがあるなら、追加で人を雇うか、コミュニティに支援を求めよう。
- より深く入り込み、額に汗して、学ぶべし。時には市場の存在を証明するために、街に出る必要がある。
- オープンマインドを保とう。さもなければ、失敗するかもしれない。つまり、前に進むか、ピボットするかだ。
- 木製 IoT を使って、自然に回帰しよう。
mui
[embed]https://youtu.be/ysCCIXY2A3M[/embed]
IoT 技術が進化を続けるにつれ、材料やコンセプトもまた進化を続けている。京都を拠点とする mui Lab は、タッチワイヤレスセンサーを内蔵し、天気予報、受信メッセージ、web 上で得られた情報を提供する木製デバイスを開発している。mui Lab のクリエイティブデザイナー廣部延安氏は、次のように語った。
妻に天気を聞くたび、彼女はスマートフォンに目をやっていた。
この状況を改善すべく廣部氏は新たな情報アクセス手段を考え、多くの消費者を魅了する上で、典型的なブラックのディスプレイがインテリアデザインの好例ではないことがわかった。そうして生まれたのが、mui のアイデアだ。木製パネルに話しかけると、mui は単なるスマート家具以上に、ハーモニーとバランスのセンスを作り出してくれる。mui はボストンにオフィスを構え、日本の木製デザイン品を自然由来製品が受け入れられる他の世界都市に輸出しようとしている。
あなたはどうだろう? 2018年の抱負をシェアして、まだ発見されていない道を歩みましょう。
この記事のオリジナル(英語)はこちらからご覧いただけます。
日本語版はThe Bridge からの転載となります。