GoogleとAmazonをも超える?

「アリババ」が支える経済圏、杭州

杭州にあるアリババ本社

Makers Boot Camp代表取締役の牧野です。2019年3月4日-7日まで一般財団法人日中経済協会が主催する「浙江省杭州・次世代企業交流団」に参加しました。昨年3月には深圳での同交流団に参加しましたが、今回は「杭州」です。

起業家のための町ドリームタウン周辺の街並み

杭州は上海の左下に位置する人口は930万人(2017年)の都市です。銭塘江(せんとうこう)という河川を中心に発展した六大古都の1つであり、13世紀(南宋の時代)には世界最大の都市を誇ったようです。 また世界遺産の西湖という湖があり国内外より多くの観光客が訪れる観光都市としても有名です。ちなみにお茶、シルク、紹興酒はこの杭州が発祥の地ということです。

Lian Lian Pay(決済会社)

中国古代の4大発明として「羅針盤、火薬、紙、印刷」が有名ですが、最近では中国の新4大発明として「高速鉄道、電子決済、ネット通販、レンタサイクル」が挙げられます。 こうした発明や発展と大きく関わっているのが杭州です。杭州は上海と高速鉄道で結ばれていますが、いまや中国全土にこの高速鉄道で張り巡らされており一大交通網となりつつあります。 また街中にはMobike等のレンタサイクルが配置されており、市民の交通インフラとなっています。更に今回の交流団でも訪問したBtoB向け電子決済サービスを提供するLian Lian Pay(中国第4位の電子決済企業)等の電子決済、 そしてネット通販に関連する物流企業や食材等を提供するスタートアップ等も多く、新4大発明が身近に感じられる都市となっています。 こうした展開に大きく関わっているのが中国が誇る世界的企業アリババの存在です。アリババ創業者のジャック・マーは杭州に対して「This is my dream place to run a startup」と表現しており、 杭州への思い入れは非常に強く、数多くのスタートアップ創出に貢献しています。そのうちの数社はユニコーン企業へと成長しており、これまで23社ものユニコーン企業を生み出しており、北京、 上海に次ぐ中国3番の都市となっています。

アリババエントランスホール

1999年に北京で創業したアリババは、その後、故郷の杭州に移り事業を開始します。企業間電子商取引をサポートするマッチングサイト(アリババ)から事業を開始し、 電子商取引(タオバオ)、決済(アリペイ)、クラウド(アリクラウド)、物流、最近では小売(フーマーフレッシュ)や交通の監視制御(CT Brain)などの生活に関わるあらゆるサービスを提供するインフラ企業になりつつあります。 こうした事業の中心にあるのは商取引や活動から得られる「データ」の存在です。いわばGoogleとAmazon、更にはリアル社会でも利用するクレジットカード会社が一緒になったようなイメージです。 アリババを通じた購買や行動履歴、そしてネットやリアルでの決済がすべて紐づいて巨大なデータとなり、こうしたデータが解析され広告サービス等に展開されています。 更にはこうしたデータは個人の情報として国家や企業に提供され個人の信用格付けとしても活用されているようです。

ドリームタウンエントランス

前回の深圳との違いは、やはり実際の経済に根付いたオンラインとオフラインのエコシステムが形成されている点です。オンラインとオフラインを結びつける「スマホ決済」が大きな役割を果たしており、 それによりかつてない程の巨大なデータを獲得・蓄積できるようになりました。以前は「Software is eating the world」と言われていましたが、最近では「Data is eating the world」という言葉を聞きます。 まさに実体経済に基づいた巨大なデータがどんどんクラウドを通じて繋がり蓄積され、巨大な経済エコシステムが形成されつつあると感じました。

VRを活用した体感型ゲームを提供するスタートアップ

今後、中国は一帯一路を軸にこのエコシステムを他地域にも拡大していくことでしょう。実際に一部のサービスは東南アジアやインドにも広がりつつあるようです。 こうしたエコシステムが拡大した際に日本はどのように対抗していくのか(それとも中に入っていくのか)。いま米中では貿易摩擦やBack Doorの問題など大きく揺れ動いていますが、 日本の隣国でもある中国の動向には引き続き注視していく必要があると改めて感じました。

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