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多国籍メンバー・文化を超えたチームビルディングの方法とは?〜第18回Monozukuri Hub Meetupから【ゲスト寄稿】

本稿は、京都を拠点とするジャーナリスト Sasha Kaverina 氏による寄稿を翻訳したものである。 イベントの模様を撮影したビデオはこちら Monozukuri Hub Meetup」は、 は京都を拠点とするハードウェアに特化したスタートアップアクセラレータ「Makers Boot Camp」が主宰している。
Eメールのやりとりから会社のパーティーまで、異文化チームの中で仕事をすることは、国籍が違ったり母国語が違ったりするだけでなく、さまざまな困難を伴う。もう経験済みですね。 モノカルチャー(単一文化)のチームは過去のものだ。イノベーティブなスタートアップは、異文化の才能を集めた強力なチームをつくり、多様性の恩恵を享受する傾向がある。しかし、異なるバックグラウンドやマインドセットを持つ人々の集団に、シームレスかつ一緒に仕事してもらうことは難しい。 彼らが世界に散らばって仕事するなら、なおさらだ。Makers Boot Camp は、文化的に多様なチームで構成されるスタートアップと、ビジネスエキスパートを招いて、これが実現可能であることを証明してみた。 ブラジルのサンパウロで育ち、現在は日本の国際チームで仕事する人物として、Makers Boot Camp のセールスマーケティング責任者 Sabrina Sasaki 氏は、ビジネススタイル文化に存在しうる深刻な相違点を完全に理解している。彼女は例外ではないが、最初のフルタイム従業員として外国人を雇用したスタートアップの話を聞くことはほぼ無い。 彼女の場合は、まさにそうだった。日本語は話せないものの、スカンジナビア、フランス、アメリカ、フランスで過ごした経験を持つ彼女は、文化的な違いがどれほど仕事に影響を与えるか、ここ(Makers Boot Camp)で知ることとなった。
Makers Boot Camp では、多様なスキルやバックグラウンドを持った多国籍チームを作りました。そう言うと聞こえはいいですが、現実的には決して簡単なことでありません。(Sabrina Sasaki 氏)
京都大学でのブースで、Makers Boot Camp のチームと共に活動するインターンの Abby、Danielle、Suzie(以上、アメリカ)、Amanda(ブラジル)、Takumi(日本)Image credit: Tugi Guenes Makers Boot Camp のチームは日本、アメリカ、ドイツ、ブラジル、ウクライナなど多国籍で、スタートアップから大企業まで、PR およびメディア、金融と投資、エンジニアリングと製造、ソフトウェアとデジタルエージェンシー、ビジネスコンサルタンシーなど、多岐にわたる分野で勤務経験のある人員で構成されている。 加えて、Makers Boot Camp は今夏、テキサス大学オースティン校から3人のインターンを受け入れている。彼らはオースティンから遥々上洛し、多様な知識と国際的なビジネス環境をもたらした。

VEDLT:世界進出への挑戦

成功したスタートアップ事例の一社として、VELDT の CEO 兼創業者の野々上仁氏は、このイベントの最初のゲストスピーカーに招かれた。野々上氏はイベントのテーマについて知り、自分の課題をシェアすることを決めた。彼の会社は、ハイエンド顧客の生活を変化させる次世代高級スマートウォッチを開発している。 現在は、事業を新市場へと拡大中だ。2012年以来 VELDT は拡大を続け、現在は日本とシリコンバレーにオフィスを構える。チームの成長につれ、野々上氏は異文化環境で仕事をするには、多くの調整が必要であることを確信した。
今年5月に海外オフィスを開設したことから学んだ需要な教訓の一つは、プロダクトを新しい都市に紹介するときには、その地域の文化とユニークな社会における課題を理解しなければならないということ。(野々上氏)
VELDT のチームは新しいプロダクトと重要な提携の発表を数ヶ月後に控えており、そのキャプテンである野々上氏は、文化拡大の荒波の中でどう進むべきかの用意はできつつあるようだ。 <関連記事>
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    DouZen CEO 三浦謙太郎氏.Image credit: Tugi Guenes
    2人目のスピーカーとして登壇した DouZen の三浦謙太郎氏は、文化的に多様なチームを長年にわたりマネージメントしてきた。日本とアメリカのテック業界で専門知識を持った起業家として長年にわたり活躍する三浦氏は、次のように語った。
    二つの文化を理解し、二つの言語を理解できることは、大きなアドバンテージだ。
    2015年に設立され、サンフランシスコとボストンにオフィスを構える DouZen は、家族が写真や動画をアップロードし、シェアし、大画面で鑑賞し楽しめるテニスボールサイズのワイヤレスデバイス「Halē Orb」を開発している。アーリーアダプターやテックサビーな人たちだけでなく、家族が相互に会話をしやすいようにデザインされている。 三浦氏は、Halē Orb を Enchanted Object(魅惑的なモノ)と位置付けた。Enchanted Object とは、IoT がバズワードとなる前、数々の表彰を受けているプロダクトデザイナー David Rose 氏(MIT メディアラボ)が作った造語で、インターネットの恩恵を受けながらも、その複雑さはエンドユーザからは見えないようになっているものを指す。 三浦氏は、テクノロジーによって、スタートアップは世界各地に散らばるチームメンバーを束ね仕事することが容易になったと語る。サンフランシスコ、ボストン、ニューヨーク、日本に従業員がいても、彼が問題を感じることは無いという。 しかし、ホワイトボードを使って進むべき道を探し出すブレインストーミングを図るような、一緒に何かをして協働する必要が生じた時、全員が同じ部屋にいる機会があった方がいいかもしれないと感じることはあるだろう。

    グロービス経営大学院 Darren Menabney 氏が教える、企業文化の作り方Darren Menabney 氏は、次のように語った。
    どんなにビジネスプランやサービスが良いものでも、文化が悪ければ、それを殺してしまうだろう。
    経営の神様と言われる Peter Drucker 氏の「どんな緻密な戦略を立てるよりも、優れた企業文化を構築することが重要(Culture Eats Strategy for Breakfast)」という言葉に影響を受け、Menabney 氏は、あらゆるビジネスで成功したい創業者は、企業内の文化を作り育てるべきだと主張した。 企業文化を意図的に作り出すには?
    1. 儀式を作ろう。定期的に運動をしたり、昼食を共にしたり、職場に犬を連れてきたりすることで、社内に文化を浸透させ、チーム内に信頼感をもたらす。
    2. 創業時の話を考えよう。素晴らしい話は、同僚たちに誇りを感じさせるとともに、投資家やステイクホルダーたちにも、あなたと共に仕事したいと感じさせるだろう。事業が大きくなれば、それは伝説となる。
    3. 会社が分かち合いたい目的を明確にすること。ほとんどの企業は「何」で始まる。あなたのサービスは何か? あなたのプロダクトは何か? あなたが売っているのは何か? しかし、「なぜ」という動機から話を始めれば、そこから生まれる会社の文化をより強いものにできるだろう。
    企業文化は、トラッキングが不可能なソフトな基準と考えるビジネスマネージャーは多いかもしれない。しかし、それは計測できるものであし、また計測されるべきものだと Menabney 氏は語った。 パリを拠点に活動するアメリカ人作家で INSEAD 客員教授の Erin Meyer 氏の著書「カルチャー・マップ:世界を8つの指標で理解する(ダイヤモンド社刊、高橋ゆかり訳)」には、文化を計測する次元について書かれ、強い異文化チームを作るためのアドバイスが盛り込まれている。Menabney 氏は、これを参考に作成した Makers Boot Camp のカルチャー・マップを披露し、微妙な文化的手がかりを見つけるための実用的なヒントに聴衆は感銘を受けた。
    カルチャー・マップは、自分の会社にいる従業員の幅を視覚化してくれる。そこには人々の違い、近似、類似点などが現れ、我々はすべてをひっくるめて多様性と呼んでいる。あなたのチームの文化は、自分の今いる国の文化よりも、より重要になってくる。
    Image credit: Tugi Guenes
    Link: http://thebridge.jp/2018/08/monozukuri-hub-meetup-20180801 

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