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【イベントレポート】北米3都市でDeep Tech Forumを開催。投資家や大企業のオープンイノベーションの基礎作りをサポート

2024年1月に、北米3都市で、ディープテックにおけるオープンイノベーションを推進するイベント「Deep Tech Forum」を、Monozukuri Venturesの主催で開催しました。開催した3都市は、AIやロボット工学などに強いピッツバーグ、トロント、ニューヨークです。シリコンバレーに比べて、日本では知名度が低い各都市ですが、同分野に強い大学やスタートアップが多く、今後、注視していくべきエコシステムです。

Deep Tech Forumとは

スタートアップ動向を常に確認し、スピード感を持って社内に取り込んでいくことがオープンイノベーションの成功にとって重要になっています。Deep Tech Forumは、長期的なオープン・イノベーションに必要不可欠な「スタートアップ・エコシステム」との関係構築を支援するイベントです。 2024年1月15日から19日にかけて、北米の3都市をまわり、エコシステム視察ツアー/講演会を行いました(ツアーの詳細はこちらをご覧ください)。 Deep Tech Forumでは、2024年冬(2024年1月〜3月)の主テーマを「製造業向けのRAAI(ロボット、自動化、AI)」と定め、北米の3都市に加えて、2024年3月に日本(京都)でも「Deep Tech Forum Kyoto 2024」を開催しました。 Deep Tech Forum North America 2024で訪れた3都市での、のべ申込者数は、スタートアップ/ファウンダーが79名、投資家/アクセラレータが73名、大企業からの参加者が56名の総勢206名でした。大企業との交流に多くのスタートアップや投資家が集まり、日本企業との連携に強い関心を持っていることがわかる会となりました。 Monozukuri VenturesではDeep Tech Forumをはじめ、北米や日本で、大企業向けのスタートアップ・エコシステムとの交流イベントやツアーを実施しています(最新のイベントはこちらからご確認いただけます)。 本レポートでは、カナダ・トロント、米ピッツバーグ、米ニューヨークの3都市で行われたDeep Tech Forumの「基調講演」と、並行して開催した起業エコシステムの「視察ツアー」に関して報告いたします。

基調講演

Deep Tech Forum Toronto 2024

カナダのスタートアップ294社へ投資を行っているBDC Deep Tech Venture Fundのリード・パートナーであるThomas Park氏が基調講演をし、その後にイベントに参加するほぼ全ての投資家やスタートアップがエレベーター・ピッチをするなど、参加意欲が高いイベントでした。スタートアップ立ち上げを考えている大学の先生から起業家などスタートアップ系の参加者が28名、投資家やアクセラレータなどエコシステム系の参加者は31名を数えました。

その後の交流会でも、カナダのスタートアップの多さやスタートアップを支える組織の意気込みを感じられました。軽食も用意した交流会でしたが、飲食よりも熱意を持って話し込む姿が目立ちました。

Deep Tech Forum Pittsburgh 2024

ロボット系スタートアップに特化したアクセラレーターRobotics Factoryでは、所長のKevin Dowling氏が基調講演で、ロボット工学で世界的に有名なピッツバーグの紹介や、今後のロボット・スタートアップについて話を伺いました。Robotics Factoryはプロトタイプ作成の設備が充実しているだけでなく、コーチングなど人の教育の面での側面などを聞くことができました。

また大企業やスタートアップによるリバースピッチやエレベーターピッチを経て、交流会を行いました。大企業がピッチをした後に米国スタートアップがエレベーターピッチを次々と行い、興味を持った企業同士がじっくり話せる交流会を備えたイベントであったため、他では経験が出来ない貴重な時間を過ごすことができました。また、ピザなどの軽食もあったので参加者は終始和やかな雰囲気で交流を深めていました。

Deep Tech Forum New York City 2024

ハードウェアスタートアップを支援するアクセラレーターの草分け的な存在である「HAX」(運営はSOSV)のパートナー兼CTOであるJi Ke氏による基調講演では、米国スタートアップへの投資が48%を占めることや300以上のHAX スタートアップが存在することなどのお話を伺いました。またHAXが本拠地を中国・深圳から、ニューヨーク近郊のニューアークに移転したことについては、スタートアップにとってニューアークがあるニュージャージー州は事業化に最適で、かつニューヨークに近いため、スタートアップを後押しする体制を強化できることを挙げていました。参加者はその後は大企業によるピッチやスタートアップによるエレベーターピッチ、交流会を行いました。

スタートアップ25名、投資家/アクセラレータ26名、大企業在籍者27名とそれぞれの立場の人達が同数集まったので、意見交換をするのに最適な場となっていたように感じます。お互いに自社の紹介をしたため、興味がある旨を伝えてからお話も出来る上に、質問したいこともある程度把握できるため交流が容易くなっていたように思います。予定終了時刻になっても話は尽きることないほど盛り上がった交流会となりました。

視察ツアー

トロント:イノベーション・ハブ「MaRS」とトロント大学訪問

トロント大学の説明に加え、独自の特性を備えた材料を研究・開発しているTront Smart Materials & Structures (TSMART)から現在研究している新材料の説明を聞きました。TSMARTは日本の大企業とも数多く連携しており、オープンイノベーションを進めるにあたって刺激を受ける会となりました。初日のためか最初は緊張が見られたものの、講演後の交流会では飲み物を片手にスタートアップと大企業出身者が緊密にお話している姿が見えました。

ピッツバーグ:カーネギーメロン大学Swartz起業センター訪問

カーネギーメロン大学は、どのような分野に強いか、学生にとってどのような大学であるかなどの話を、25年以上カーネギーメロンで教鞭をとる嶋田憲司先生から伺いました。日本の大学との違いを聞き、参加者が驚いている様子が伺えました。普段は訪れることがない大学に訪問することより、産学連携のタネを見つけることも出来る時間でした。 その後、学生の起業を支援するSwartz Center for Entrepreneurshipでは、創業所長のDave Mawhinney氏や、Corporate Startup Lab(CSL)の責任者であるJim Jen氏などから、起業センターの概要を聞きました。またテクノロジー系スタートアップを3社、CTOとして立ち上げているCarmel Majidi教授から、学内にあるSoft Machines Labなどの研究所から、どのようにスピンオフしてスタートアップを立ち上げるのか、というお話をいただきました。真剣に話に聞き入る様子が伺え、講義後は大変興味深かったという感想をいただきました。

ニューヨーク:ハードウェア・インキュベーターNewlab訪問

NewLabはブルックリンにある造船所をインキュベーション施設に改装した場所で、日本の体育館10個分ぐらいの広さの建物の中に、さまざまな機材が使えるスペースや、スタートアップのオフィス、アクセラレーターなどが集まっています。この日は、BMW Miniが運営するアクセラレーターUrban-Xのプログラム・ディレクターのTristan Bel氏に、ニューヨークのハードウェア・エコシステムやUrban-Xについて説明していただきました。 NewLab内にはコーヒーなどを飲むスペースもあり、施設ツアーが開催される前には参加者は飲み物を飲みつつ談笑を繰り広げました。ツアーでは施設内を循環しながら入居スタートアップの製品を実際に見つつ、施設の説明を聞きました。写真を撮ったり、充実した設備に関心を示したりする様子が伺えました。

交流会や視察ツアーを定期開催

Monozukuri Venturesでは、定期的に、北米や日本で、大企業向けのスタートアップ・エコシステムとの交流イベントやツアーを実施しています。 イベントの一覧ページはこちらから Deep Tech Forumは、年に2〜4回程度、北米と東アジアを中心に開催します。2024年の主テーマは「製造業向けのRAAI(ロボット、自動化、AI)」と決め、2024年冬は同分野に強い都市でします。今後はディープテックの中でも、日本企業の関心が高まるであろう分野に強い都市やエコシステムでの開催を検討していきます。 また有力な展示会・カンファレンスにあわせて、大企業とスタートアップ・エコシステムの交流を推進するイベント「Monozukuri Hub」を開催しています。 4月30日には米ボストンで、Robotics Summit & Expoの開催に合わせてロボティクス業界の交流会「Monozukuri Hub: JETRO/J-BRIDGE CONNECTS for Global Robotics Innovation」を、JETRO New Yorkとの共催で実施します。あわせてロボット系アクセラレーターや大学などを視察する視察ツアー「Monozukuri Tour」を開催します。 4月29日から5月3日には、米国ロボット業界の今がわかる視察ツアー「Monozukuri Tour: Robotics ecosystem in Pittsburgh & Boston」が開催されます。

Monozukuri Venturesでは、ハードウェア・ハードテック特化型のVCからみた、製造業・ハードウェア業界動向のご紹介をしています。 今後のイベントや、ディープテック・オープンイノベーションの情報もニュースレターで配信いたします。ご興味のある方はこちらの当社ニュースレターへご登録下さい。

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