【米国VC投資額レポート: 2022年10月】シード投資は引き続き回復基調、シリーズA以降は反落| Monozukuri Ventures


今回のレポートでは、10月のプレシード・シードとシリーズA以降、それぞれの投資動向について触れていきます。

プレシード・シードの動向

10月のプレシード・シードの投資は、9月から投資金額は減少となってしまいましたが、投資件数は増加となっており、引き続き回復傾向にあると思われます。一方で、投資金額が昨年の水準に近づきつつある中、投資件数は昨年の半分程度となっており、厳しい投資先の選別が行われていることが伺えます。産業別で見ると、MZVの投資領域であるハードウェア領域は97百万ドルから95百万ドルと微減していました。当領域の調達額TOP3は以下の企業となっています。

プレシード・シードの投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース


1. Typhur Technology(調達額:$20,000,000)

Typhur Technologyはレストラン品質の真空調理が誰でもできる調理機器「Sous Vide Station」を開発しているスタートアップです。Sous videとはフランス語で「真空下」という意味で、食材を袋に真空包装し、水槽に浸して正確な温度で加熱する調理法です。12.3 インチのタッチパネルでは定期的に更新される、ミシュランの星付きシェフによるビデオガイド付きレシピを見ることができます。

出典:Typhur公式HP


2. FABRIC SYSTEMS(調達額:$13,000,000)

FABRIC SYSTEMSは最もエネルギー効率に優れるビットコインマイニングASICと閉ループ浸漬冷却システム、および暗号通貨で使用されるゼロ知識証明などのアルゴリズムを実行する世界初のプログラマブルASICを開発しています。従来のGPUでは数分〜数時間かかる暗号化処理を高速に実行することで、暗号化アクセラレータ領域においてNVIDIAのようなポジションを目指しています。

出典:FABRICSYSTEMS公式HPより


3. Wispr AI(調達額:$10,000,000)

Wispr AIは次世代のヒューマンインターフェースを開発しています。具体的には明らかにされていませんが、脳の信号ではない生体信号を使用した非侵襲なインターフェースを使用して、画面のタップやキーボードのタイピングといった従来の操作方法を革新しようとしています。

出典:Wisprプレスリリース


シリーズA以降の動向

10月のシリーズA以降の投資は、9月から投資金額・投資件数共に大きく反落しています。 産業別で見ると、MZVの投資領域であるハードウェア領域は792百万ドルから666百万ドルと減少していました。当領域の調達額TOP3は以下の企業となっています。

シリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース


1. Swift Navigation(調達額:$100,000,000)

Swift Navigationはセンチメートル単位の精密測位プラットフォームを提供しています。従来のGNSS (Global Navigation Satellite System / 全球測位衛星システム) を使用した測位では数m〜数十mの誤差が発生します。当社はこのGNSSからの信号を補正することで高精度の測位を実現しています。また、慣性センサーと組み合わせることで自動車などの高速で移動する物体に対しても高精度かつリアルタイムに測位が可能です。当社の精密測位技術は自動車やドローン、モバイルデバイスなど様々な用途に使用されており、記事公開時点では、アメリカ、ヨーロッパ、日本、韓国、台湾、オーストラリアでサービスを提供しています。

出典:Swift Navigation公式HP


2. onxMaps(調達額:$87,400,000)

onxMapsはアウトドア向けのオフラインマップを開発する企業です。オフロードトレイル、狩猟、ハイキング&スキーそれぞれに特化した機能が搭載されており、私有地と共有地の境界やキャンプ場、ルートなどの情報を提供しています。

出典:onxMaps公式HP


3. Kneron(調達額:$48,000,000)

KneronはエッジAIのためのハードウェアとソフトウェアを開発する企業です。特許取得済みのReconfigurable Artificial Neural Network (RANN) 技術により、音声、画像認識だけでなく、主流のAIフレームワークやCNN (Convolutional Neural Network / 畳み込みニューラルネットワーク) との互換性があります。当社のエッジAIソリューションは、RANN技術によるカスタマイズ性とコスト、電力効率に優れているため、自動車やモバイルデバイスなどのリーディングカンパニーから多くの引き合いがあります。

出典:Kneron公式HP


※産業の区分:What Industries are included in Crunchbase?

ハードウェアとの関連が見られない企業が含まれていることがありますが、Crunchbase の分類に従い集計しています。

来月以降も米国のVC投資動向を公開予定です。

調査:投資部門インターン川村



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