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【開催レポート】Monozukuri Hardware Cup 2023 開催!

Monozukuri Hardware Cup実行委員会(実行委員長:牧野成将、モノづくり起業推進協議会会長、Monozukuri Ventures CEO)は、日本のハードウェア・スタートアップのグローバル展開への登竜門として、ピッチコンテスト「Monozukuri Hardware Cup 2023」を2023年3月3日に開催しました。

本ピッチコンテストは「世界を舞台に活躍する日本のモノづくりスタートアップ企業の登竜門」と位置付けられており、4分間のプレゼンテーションと5分間の質疑応答が全て英語で行われます。米国ピッツバーグで開催される「Hardware Cup Finals」の国内予選として2017年から開催されており(2021年以降はコロナの影響もあり開催有無が不確定)、2021年以降は協議会独自としてもグローバル展開を後押しすべく開催しております。審査員として海外のベンチャーキャピタリストもお招きし、グローバルなイベントとなりました。 本ピッチコンテストは京都のイノベーション創出拠点である「京都リサーチパーク」とYouTubeLiveで執り行われ、多数の応募があった中から選ばれた計7社のファイナリストがピッチを繰り広げました。その様子について以下レポートをお届けします。

審査員のご紹介

まずは審査員のご紹介です。 審査員として以下4名の方に参加していただきました。 アレン・マイナー氏(サンブリッジグループCEO) ポール 与那嶺氏(セントラル・パシフィックバンク 代表取締役会長) Hana Jin氏(SOSVジェネラルマネージャー) 須藤潤氏(S-CUBED Consulting CEO & Solution Curator)

登壇スタートアップ

リンクウィズ株式会社

リンクウィズ株式会社は、産業用ロボットの自律化を展開し、製造業DXの実現を目指しているスタートアップです。 製造業分野での人件費や多様な生産ラインに対応するための製造業コスト、品質管理などの課題解決を目指しています。主力製品は「L-QUALIFY」、「L-ROBOT」、「LINKWIZ FACTORY CLOUD」の3つです。 L-QUALIFYは、当社独自の3次元処理技術を活かし、人による目視検査と治具検査のロボット化でインライン全数検査を実現しているロボット検査システムです。L-ROBOTは、ティーチングデータ自動生成・補正機能付きロボットコントロールシステムです。LINKWIZ FACTORY CLOUDは、L-QUALIFYの検査結果や、L-ROBOTのパス補正情報を自動で収集・蓄積することで、工程をリアルタイムに可視化し、品質・生産性改善支援をするツールです。すでに50社以上、150ライセンスを販売しています。

RENATUS ROBOTICS株式会社

RENATUS ROBOTICS株式会社は自動倉庫システムを開発しているスタートアップです。物流業界では、人手不足や倉庫内のオペレーション・機器連携の複雑化が問題となっています。自動倉庫システムRENATUSは、コンテナ単位で荷物を輸送し、配車最適化アルゴリズムRENATUS CORTEXでシャトル2000台を同時制御します。これらのシステムにより、作業者はコンテナからピックした荷物をそのまま出荷用の段ボールに繰り返し入れるだけでピッキング・集約・梱包の3工程が1度に達成される「ワンストップ梱包」が可能になりました。

LEBO ROBOTICS株式会社

LEBO ROBOTICS株式会社は、風力発電機の点検・補修ロボットを開発しているスタートアップです。風力発電機のブレードは、風雨などによって損傷や劣化が起こりやすく、毎年1回の定期的な点検・補修が必要ですが、風車の大型化や基数の増加が進むにつれ、人材不足やコストの高騰が課題となっています。そこで、当社の地上から操作する高所作業ロボットは、ブレード近接画像の撮影と落雷対策のための導通確認や、ブレードの補修を行うことができます。パートナー企業のブレードAI分析も用いてさらなる補修作業の強化やブレードを補修するための材料開発にも取り組んでいます。日本市場だけでなく、ヨーロッパ市場への拡大もしています。

大阪ヒートクール株式会社

大阪ヒートクール株式会社は、温度を用いたひっかき錯覚システム「ThermoScratch」を開発しているスタートアップです。アトピー性皮膚炎などで「かゆみ」に苦しんでいる世界中の方々の課題解決に取り組まれています。ThermoScratchは、冷感と温感を同時に与えることにより疑似的に掻く感覚を提供するデバイスです。この掻く感覚は錯覚であるため、実際に肌を傷つけることはありません。当社は、2024年のグローバル展開を目指しています。

東京ロボティクス株式会社

東京ロボティクス株式会社は、モバイルマニピュレータ型ロボットを開発しているしているスタートアップです。物流業界はeコマース市場の拡大により成長していますが、その背景で倉庫事業主は人手不足に陥っています。この課題を解決するために多くの企業が取り組んでいますが、人件費やイニシャルコスト、処理能力、倉庫収容力の効率化の問題が絡み合い、単一の最適なソリューションが未だありません。「Torobo GTP」は、ロボットが棚とピッカーの間を行き来し、箱の出し入れを自動で行います。Torobo GTPの特徴は、高速移動かつ箱の出し入れを同時に行えること、3.3mの棚の高さまで対応可能な点、狭い通路でも通れる点などが挙げられます。大企業4社と協議を開始し、今後は5年以内に1000ユニット提供する予定です。

株式会社Liberaware

株式会社Liberawareは、狭小空間を飛行可能なドローンや非GPS環境下の屋内空間を自動飛行可能なドローンの開発をしているスタートアップです。ボイラーやタンク、配管内などの点検業務は、費用がかかるだけでなく、人が進入するのに危険が伴います。屋内点検ドローン「IBIS」で狭小空間に入り、ドローンが撮影した映像を3D化したり、AIを活用したりすることによって、ハードウェアとソフトウェアの両方を組み合わせたソリューションを提供しています。当社は既に大企業を含む企業と300件以上の契約を結んできました。

オモテテ株式会社

オモテテ株式会社は、生理用品をトイレの個室で取得できるサービス「unfre. 」の開発をしているスタートアップです。生理時期を予測し、生理用ナプキンを持ち歩く必要がある一方で、生理時期を予測することは難しく、生理用ナプキンを持ち歩くことが負担という課題があります。unfre. は、トイレ内に設置した生理用品の管理・提供を行うディスペンサーと利用可能な施設を検索できるスマートフォンのアプリで構成されています。当社のビジネスモデルは、施設側が当社へ月額料金を支払う方法とユーザーが定期購入に申し込むことにより提携する施設トイレで生理用品を使用できるという二つの方法があります。今後は、実証実験を進め、女性のための新しい公共インフラとなるべく活動していく予定です。

スポンサー企業

Platinum

株式会社村田製作所

Gold

ダッソー・システムズ株式会社 京都リサーチパーク株式会社

Bronze

松尾産業株式会社 京都信用金庫  一般社団法人 京都試作ネット 日刊工業新聞社モノづくり日本会議

結果発表

優勝:オモテテ株式会社 準優勝:大阪ヒートクール、Liberaware 上位3社には審査員から賞状が授与されました。

入賞されたスタートアップの方々、おめでとうございます!

総評

イベントの最後には、今回の審査員長であるアレン氏からメッセージを頂きました。

「今回のイベントは、今までの人生の中で最も素晴らしいピッチ発表でした。他VCが投資を行っている場合、そのスタートアップへの投資検討が容易になる場合がありますが、そうするのではなく、日本のVCは、スタートアップがピッチ発表を行ったとき、投資家としてスタートアップにより一層、真摯に向き合って投資検討をするべきであると初めて感じたイベントとなりました。来年のHardware Cupも楽しみにしています。最後に、プレゼンター、審査員、その他このイベントに関わった皆様に感謝します。ありがとうございました。」

交流会

ピッチコンテスト終了後は懇親会が行われました。現地で参加されたスタートアップの方と審査員、運営者による密を避けながらの開催にはなりましたが、皆さん交流を深められました。ハードウェアを開発するスタートアップが持つ共通の課題や将来などの話題で盛り上がり、審査員からはそれぞれのスタートアップに激励の言葉がありました。 当日のYouTubeLiveのアーカイブ動画はこちらからご覧いただけます。 ぜひご覧ください! 改めてご応募いただいた全ての皆さま、ご協賛いただきましたスポンサー企業の皆さま、運営にご協力頂きました皆さまに感謝を述べさせて頂きます。 本当にありがとうございました! Monozukuri Venturesでは、ハードウェア・ハードテック特化型のVCからみた、製造業・ハードウェア業界動向のご紹介をしています。ご興味のある方はこちらの当社ニュースレターへご登録下さい。

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