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【MBC試作ファンド】セントラル空調を快適に~AIスマートホームデバイス開発の 米 スタートアップへ投資~
ハードウェアスタートアップのモノづくり支援をおこなうMakers Boot Camp(運営:株式会社Darma Tech Labs、本社:京都市下京区、代表取締役:牧野成将、以下「MBC」)は、ジェネラル・パートナー(GP)として管理する「MBC Shisaku 1号投資事業有限責任組合」(MBC試作ファンド)の投資先として、セントラル空調システムを個別に調整するデバイス開発をおこなうHiberSense(読み方:ハイバーセンス、本社:米国ピッツバーグ、CEO: Jacob Kringへ投資したことを発表します。HiberSenseは、セントラル空調が主流のアメリカで、個々の部屋の温度を快適に調整するために、AI(人工知能)を活用したデバイス開発を行う、米国ピッツバーグのスタートアップです。今回のMBC試作ファンドからの投資を受け、量産化の強化やマーケットの開発に取り組む予定です。
【アメリカでの空調システムについて】
日本では各部屋に空調機を設置し、好みに合った温度に合わせることが普通ですが、欧米では建物の一箇所に冷暖房装置を設置して、全館へ空気を送り届けるセントラル空調システムが主流となっています。この空調システムは日本でもホテルやオフィスビルで多く利用されています。一度に建物全体の温度を管理・設定するため、経済的な面で優れているセントラル空調システムですが、個々のきめ細やかな温度調整が難しいという欠点があります。キッチンや寝室、リビングでは、それぞれ快適な温度は違うのですが、うまく温度調整することは困難でした。既存のセントラル空調と組み合わせて個別に温度調節できるよう、HiberSenseはAIを駆使したIoTソリューションを開発し、利用者の好みに合った部屋の温度を自動で調整するシステムを提供しています。一戸建てに住む消費者のみに向けたサービスでなく、ビル全体を管理する事業会社とのビジネス展開やオフィスビルでの利用拡大も計画しています。
【HiberSense の仕組みと展望】
HiberSenseが開発する特許申請中のAIハブが、各部屋の最適温度を独自の温度管理アプリや蓄積データから導き出し、個室に設置している空気の吹き出し口で空気のを調整することで、快適な温度に調整します。ピッツバーグ発のスタートアップとしてHiberSenseは、MBC試作ファンドから既に投資を受けたARINTechnologies と同じハードウェアアクセラレータAlphaLab Gearに参加し、アプリやデバイスの開発・新しいマーケットの開拓に全力を注いでいます。またHiberSenseは昨年度のCESにも出展し、未来のスマートホームを実現するスタートアップとして注目を浴びています。
【スマートホームの市場推移について】
サーモスタット型IoTデバイスを開発したスタートアップNest社が2014年にGoogleに32億ドルで買収されるなど、スマートホームのマーケットは大きく成長しています。ドイツの調査会社Statistaの調査(Smart Home ‒ worldwide)によると、スマートホームの世界市場規模は、約3.6兆円(2017年)と報告されており、将来的に市場の成長予測は、6兆円(2020年)に、45兆円(2030年)の規模に成長すると見込まれています。HiberSenseは空調ソリューション事業者と連携して、同社の製品を一般消費者に届けるビジネスプランで、ピッツバーグから全米へとマーケットを広げる予定です。
MBCは今後も日本と米国のスタートアップへの投資を通じて、日本の優れた技術力を世界に向けて発信し続けてまいります。