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【米国VC投資額レポート: 2023年2月】シード投資は回復基調、シリーズA以降は引き続き減少傾向| Monozukuri Ventures
1月のレポートはこちらからご覧ください。
今回のレポートでは、2023年2月のプレシード・シードとシリーズA以降、それぞれの投資動向と注目企業を紹介します。プレシード・シードの動向
2023年2月のプレシード・シードの投資は、1月からプレシードの投資金額は増加し、シードの投資金額が減少した結果、プレシード・シードの累計投資は約8%ほど増加しました。一方で、プレシード・シードの投資件数はともに最低の水準となっています。
プレシード・シードの投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)
出典:Crunchbaseデータベース
1. Hypercraft(調達額:650万ドル)
Hypercraftは、ガソリン車をハイブリッド車に変換することを目的とした電気自動車駆動システムを開発する企業です。2022 SEMA Launch Padのトップ5にランクインしています。
2. Lux Semiconductors(調達額:230万ドル)
Lux Semiconductorsは、フレキシブル半導体パッケージ「System-on-Foil」を開発しています。System-on-Foilでは、新しい設計を取り入れることによって、チップレット(複数の小さなダイ)を高密度かつ高速な相互接続を介して密接に接続させることができ、パッケージ サイズの縮小化が可能になりました。
3. MemQ(調達額:200万ドル)
MemQは、シカゴ大学からスピンアウトした、量子メモリを開発している企業です。ソリッドステートプラットフォーム上に構築されたオンチップ量子中継器開発の鍵の一つである、量子ビットの状態を長時間保存する量子メモリに希土類ベースの技術を使用しています。希土類量子ビットは、量子情報を長期間保存可能、光ファイバー通信インフラに対応可能などの利点があります。今回の資金調達で量子中継器のための開発を加速し、量子インターネット実現を目指します。
出典:MemQ公式HP
シリーズA以降の動向
2023年2月のシリーズA以降の投資は、2020年1月以降の投資金額の中では最低の投資金額となり、投資件数も最低の水準が続いています。米国ではさらなる利上げの懸念などにより、市場の影響を受けレイターステージになるほど冷え込んでいます。MZVの投資領域であるハードウェア領域の注目企業は以下のとおりです。
シリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)
出典:Crunchbaseデータベース
1. Our Next Energy(調達額:3憶ドル)
Our Next Energyは電気自動車のための新しい電池システムを開発している企業です。Our Next Energyには、Aries I 、Aries Ⅱ、Gemini、Aries Gridの4製品があります。America's Best Startup Employers Listで3位にランクインしています。
2. R-Zero(調達額:1.05憶ドル)
R-ZeroはUV-Cライト滅菌装置を開発している企業です。
出典:R-Zero公式HP
3. Fulfil Solutions(調達額:6000万ドル)
Fulfil Solutionsはオンライン食料品フルフィルメントのためのロボットシステムを開発する企業です。
※産業の区分:What Industries are included in Crunchbase?
ハードウェアとの関連が見られない企業が含まれていることがありますが、Crunchbase の分類に従い集計しています。
来月以降も米国のVC投資動向を公開予定です。
調査:投資部門インターン藤本
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【米国VC投資額レポート:2023年1月】シード投資は底打ち感、シリーズA以降は引き続き低調
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【米国VC投資額レポート:2023年3月】シード投資は横ばい、シリーズA以降は底打ち感
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