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【米国VC投資動向レポート: 2023年8月】シードおよびシリーズAの投資件数・投資金額ともに最低水準だが、シリーズB以降は大型調達が出始める | Monozukuri Ventures

今回のMonozukuri Ventures(以下「MZV」)レポートでは、2023年8月のプレシード・シードとシリーズA以降、それぞれの投資動向と注目企業を紹介します。7月のレポートはこちらをご覧ください。 ※2023年5月以降、事業会社からの出資を反映させた集計方法に変更し、各ラウンドにおける投資動向のグラフを変更しています。なお、投資動向のグラフはハードウェア企業・ソフトウェア企業に関係なく米国全体の動向を示しています。

プレシード・シードの動向

2023年8月のプレシード・シードの投資では、プレシード・シードの投資金額およびプレシードの投資件数は最低水準を推移していますが、シードの投資件数は7月よりも増加しています。 MZVの投資領域であるハードウェア領域の注目企業は以下のとおりです。

米国全体のプレシード・シードの投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

1.Robomart(調達額:200万ドル)

Robomartは、小売業者向けに特許取得済みの自動運転店舗を構築し、小売業者の店舗展開を支援している会社です。消費者はスマートフォンの専用アプリで簡単に配車することができ、自宅で日用品をすべて購入できる完全な対面ショッピング体験を提供します。Robomartは、2022年にユニリーバとオンデマンドデリバリー&サービスで提携し、アイスクリーム配達を行っています。

出典:Robomart 公式HP

2.Spike Dynamics(調達額:28万ドル)

Spike Dynamicsは、航空宇宙およびロボット工学向けの小型で強力なアクチュエータを開発している会社です。Spike Dynamicsのアクチュエータ「Spiketon」は、同様のデバイスに比べて最大20倍軽く、小型で、鋼やチタン合金、セラミックなどのさまざまな材料で実装できます。

出典:Spike Dynamics公式HP

3.Group1(調達額:25万ドル)

Group1は、カリウムイオン電池の商品化に重点を置いた加工材料会社です。ニッケル、コバルト、銅、リチウムなどの重要なミネラルを含まない、持続可能で効率的かつコスト効率の高いカリウムイオンバッテリーを可能にすることで、エネルギー業界に革命をもたらします。Group1には、2019年後半にノーベル賞を受賞したJohn B. Goodenough氏の研究室博士研究員だったLeigang Xue氏などが参画しています。

出典:Group1 公式HP

シリーズA以降の動向

2023年8月のシリーズA以降の投資では、シリーズB以降の投資金額・件数ともには7月から回復したものの、シリーズAは投資金額・件数ともに低水準を推移しています。日ごとの投資動向を確認すると、8月23日にはRampやCellaresなどの複数の会社が大型調達をしており、8月29日にはRedwood Materialsが10億ドルの調達をしています。 9月に入りARMやInstacart、Klaviyoなど大型のテック系スタートアップのIPOが相次いだこともあり、9月以降のシリーズB以降の投資動向が今後どのように変化していくのか注目です。 MZVの投資領域であるハードウェア領域の注目企業は以下のとおりです。

米国全体のシリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

日ごとのシリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

1.Neuralink(調達額:2.8憶ドル)

Neuralinkは、Elon Musk氏が共同創業者となっている、ブレイン・マシン・インターフェースを開発している会社です。デバイスを人間の脳に埋め込み、制御するチップとなっています。2023年5月には、米国食品医薬品局FDAから臨床試験の承認が出たと発表しており、2022年12月には、Neuralink臨床試験が利用可能になったときに興味がある人向けに患者登録ページが作られています。患者登録が可能な条件としては、米国内の 18 歳以上かつ州の成年年齢に達しており、同意ができる、四肢麻痺、対麻痺、視力喪失、難聴、および/または話す能力がない人などが挙げられています。

出典:Neuralink 公式HP

2.TRACTIAN(調達額:4500万ドル)

TRACTIANは、産業用監視システムを提供するマシンインテリジェンス会社です。産業用機器の振動・温度・動作をリアルタイムで正確に監視し、予期せぬ障害を回避してメンテナンスコストを削減する産業用振動センサーやメンテナンスを簡単かつ迅速に管理できるように設計された直感的なアプリケーションなどハードウェアからソフトウェアまで様々な製品が展開されています。TRACTIANの保守管理ソフトウェアは独SAPによって正式に認定されており、SAP製品とそのパートナーのオンライン ストアであるSAP®Storeで入手できるようになっています。

出典:TRACTIAN 公式HP

3.Caelux(調達額:1200万ドル)

Caeluxは、地上太陽光発電および商業宇宙産業向けにガラス上ペロブスカイト技術を開発する会社です。主流のシリコン太陽光発電モジュールで使用されるガラスの内側にペロブスカイトを印刷し、2つのモジュールを並列に配置した「4端子ハイブリッド太陽光発電アーキテクチャ」を開発しています。Caeluxは現在、16%を超える電力変換効率を備えた半透明デバイスを製造しています。

出典:Caelux 公式HP

※産業の区分:What Industries are included in Crunchbase?

ハードウェアとの関連が見られない企業が含まれていることがありますが、Crunchbase の分類に従い集計しています。

来月以降も米国のVC投資動向を公開予定です。

調査:投資部門アソシエイト藤本真由

🔳前月レポートはこちら

【米国VC投資動向レポート: 2023年7月】シードおよびシリーズA以降の投資件数・投資金額ともに引き続き最低水準

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