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【米国VC投資動向レポート: 2024年4月】アーリーステージ、レイターステージともに投資件数が増加傾向 | Monozukuri Ventures

今回のMonozukuri Ventures(以下「MZV」)レポートでは、2024年4月のプレシード・シードとシリーズA以降、それぞれの投資動向と注目企業を紹介します。 2024年3月のレポートはこちらをご覧ください。 2023年5月以降、事業会社からの出資を反映させた集計方法に変更し、各ラウンドにおける投資動向のグラフを変更しています。なお、投資動向のグラフはハードウェア企業・ソフトウェア企業に関係なく米国全体の動向を示しています。

プレシード・シードの動向

2024年4月のプレシード・シード投資では、投資額は先月より減少しましたが、投資件数は増加しました。日ごとの投資動向を見ると、3日に投資額・投資件数が増加しています。これは、Y CombinatorからPre-Seedの9社に50万ドルの出資があったためです。 MZVの投資領域であるハードウェア領域の注目企業は以下のとおりです。

米国全体のプレシード・シードの投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

日ごとの米国全体のプレシード・シードの投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

1. Ingantec Corporation(調達額:200万ドル)

Ingantec Corporationは、AR および VR でより鮮明な画像を実現する 10µm以下の小型赤色マイクロLEDを製造しています。青色および緑色のマイクロLEDと互換性があるInGaN材料を用いて、化合物半導体材料の知見、処理技術、製品設計技術を合わせることで、モノリシック型RGBマイクロLED設計を実現しました。最小のピクセルサイズと最高レベルの発光を必要とするARおよびVRデバイスや、画面サイズが小さいスマートウォッチなどに用いることで鮮明な画像を実現することができます。

出典:Ingantec Corporation 公式HP

2.APOLLON(調達額:180万ドル)

APOLLONは、非侵襲性の持続血糖測定(CGM)システムと機器を開発しています。機器の特長として、針を使わないため皮膚を傷つけないこと、精度が高くコスト効率に優れていること、利便性が高いことが挙げられます。CGMでは、異なる分子は散乱光の振動エネルギーが異なるという原理に基づきラマン分光方法を用いています。また、機器がラマン信号を取得しやすくするための特殊なチップも開発しています。

出典:APOLLON公式HP

シリーズA以降の動向

2024年4月のシリーズA以降の投資では、シリーズA・シリーズB以降の投資額・投資件数が先月に比べて増加しました。シリーズAの投資額が増加した要因としては、23日に人工知能(AI)モデルを使って病気治療のための新薬を発見することを目指すXaira Therapeuticsが10億ドルを資金調達したことが挙げられます。投資件数に関しては、全体的に増加している傾向が見られました。 MZVの投資領域であるハードウェア領域の注目企業は以下のとおりです。

米国全体のシリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

日ごとの米国全体のシリーズA以降の投資動向(棒グラフ:投資額、折れ線グラフ:投資件数)

出典:Crunchbaseデータベース

1.Collaborative Robotics(調達額:1億ドル)

Collaborative Roboticsは、人間と一緒に屋内や屋外での作業を支援するロボットを開発しています。協働ロボットは、製造、医療、小売/電子商取引、製造業などの分野で効率、安全性、ROIを向上させることで、産業自動化に革命をもたらすことが期待されています。今回の資金調達でチームを拡大し、ロボットの商業展開を進めます。

出典:Collaborative Robotics 公式HP

2.Actnano(調達額:4000万ドル)

Actnanoは、電子機器を防水にするスマートコーティングソリューションを専門としています。水による損傷や過酷な環境条件からさまざまな材料を保護するフッ素フリーの薄膜コーティング「Advanced nanoGUARD」は、コネクタ、アンテナ、LED、高熱発生部品を含む プリント基板アセンブリ全体に適用でき、最大IPX8の防水保護レベルを提供します。使用用途としては、車両の電子機器およびADASシステムの保護、家電の結露、湿気、汗などからの保護、医療機器の保護、産業用電子機器の回路基板の結露からの保護などが挙げられます。

出典:Actnano 公式HP

3.Framework(調達額:1700万ドル)

Frameworkは、修理、アップグレード、カスタマイズを簡単にすることで、長持ちするように設計された消費者向け電子機器製品を設計しています。同社の最初の製品は Framework Laptop 13 で、アメリカ誌「タイム」の「THE BEST INVENTIONS OF 2021(2021年最優秀発明)」号の表紙を飾るなど消費者から大きな反響を得ました。2023 年には、高度なカスタマイズが可能かつ、より高性能なノートパソコンである Framework Laptop 16 が発売されました。Frameworkが販売するノートパソコンはモジュールレベルの交換で消耗を軽減し、パフォーマンスと機能を向上させることができるため、寿命を延ばすことができます。

出典:Framework公式HP

※産業の区分:What Industries are included in Crunchbase?

ハードウェアとの関連が見られない企業が含まれていることがありますが、Crunchbase の分類に従い集計しています。

来月以降も米国のVC投資動向を公開予定です。

調査:投資部門インターン 野原多朗 / アソシエイト 藤本真由

■前月レポートはこちら

【米国VC投資動向レポート: 2024年3月】アーリーステージで増加

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