Monozukuri Ventures(以下、MZV)代表の牧野です。 気候変動、エネルギー・資材価格の高騰など、製造業企業が直面する課題は年々複雑化しています。こうした状況下で、大企業が持続的な成長を実現する手段として注目されているのが、スタートアップとの連携による「オープンイノベーション」です。 しかし、大企業、特に製造業の新規事業担当者の中には、「どのようにスタートアップと共創すればよいのか」といった、実務面での悩みを抱える方も少なくありません。
地域に根ざした「製造業コミュニティ」の力
その中で注目したいのが、「地域における製造業コミュニティ」の存在です。これは、業界やサプライチェーンといった従来の枠を超え、地域内の事業者同士が新規事業の取り組みやノウハウ、課題などを安心して共有できる場です。 MZVはこれまで、京都府やうめきた未来イノベーション機構(U-FINO)と連携し、製造業企業向けにクローズドな情報交換の場(サロン)を提供してきました。 参加企業からは、「他社の取り組みや課題から学びが得られる」「共感できる悩みを聞き勇気づけられた」「リアルな繋がりが生まれた」など、多くの反響をいただいています。
スタートアップにとっても重要な“地域との接点”
また、こうした地域コミュニティは、私たちが支援するディープテック系スタートアップにとっても重要な基盤であることが分かってきました。 BtoBやBtoBtoBといったビジネスモデルを展開するスタートアップにとって、サプライチェーン全体を巻き込む上では、スタートアップと相対する企業同士の信頼関係も不可欠です。その信頼関係の土台となるのが、「地域内で顔の見えるつながり」だと私たちは考えています。 この地域コミュニティの中にこそ、新たな産業を生み出す可能性があると確信しています。
「MI(Monozukuri Innovation)サロン」愛知・兵庫へ、そして全国へ
こうした想いに共感してくださる方々の後押しもあり、地域コミュニティを「MIサロン」と名付け、現在では愛知県・兵庫県にも広がりを見せています。 今後は、自治体や金融機関などとの連携を通じて、他地域にも展開を進めていく予定です。 その背景には、地域ごとに異なる産業の特性や、これまで育まれてきた文化・ネットワークを活かし、地域に根ざした共創の場を大切にしたいという強い想いがあります。 【プレスリリース】製造業向けクローズドコミュニティ「MIサロン」再始動。京都・愛知・兵庫から全国へ
8月19日開催:「地域における製造業コミュニティの重要性」イベントのお知らせ
また、こうした取り組みをより多くの方に知っていただくため、8月19日(火)に京都+オンラインにて、「地域における製造業コミュニティの重要性」をテーマとしたイベントを開催します。 製造業とスタートアップの共創が活発なシリコンバレーから、著名なVCや起業家をお招きし、現地での事例や最新の動向を交えながら、日本における共創のヒントをお届けします。 製造業とスタートアップが“機能する共創関係”を築くための視点や実践的な戦略にご関心のある方は、ぜひご参加ください。 ■イベントの詳細・お申込みはこちらから シンポジウム:大企業のオープンイノベーション最前線 – 地域における製造業コミュニティの重要性
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Monozukuri Ventures CEO。愛知県出身、京都に住んで17年。ずっと関西中心にスタートアップに関わる仕事をしています。今は京都の梅小路エリアにてスタートアップ、アーティスト、クリエイターが集うような街づくりにも挑戦中。2児の父親として育児も頑張ってます!!