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#018_日本経済復活の鍵 – スタートアップCxO経験者を再活用

2025.08.21 By MAKINO

Monozukuri Ventures(以下、MZV)代表の牧野です。 今回は、日本経済をもう一段活性化させるための“鍵”の一つとして、スタートアップCxO経験者の再活用についてお話しします。

活況化する日本のスタートアップの資金調達

2009年のリーマン・ショックで、日本のスタートアップ環境は大きく落ち込みました。 しかしその後は回復し、2014年には資金調達を受ける会社は1,000社を突破。さらに2021年には4,000社を超えるまでになりました(スピーダ調査)。 2022年には、日本政府が「スタートアップ5ヵ年計画」を発表。 2027年までに投資額10倍の1兆円、スタートアップ企業数10倍の10,000社にするという目標を掲げています。 この数年は資金調達環境は芳しくありませんが、スタートアップのイノベーション力への期待は依然として高く、今後も多くのスタートアップが生まれてくることが予想されます。

日本のスタートアップ出口戦略の課題

資金調達環境が改善される一方、資金調達したスタートアップは投資家への出口を作る必要があります。その代表的なものが「株式上場(IPO)」となります。 2014年、投資を受ける会社が1,000社を超えましたが、2014年のIPO数は45社(VCから資金調達をしていない企業も含めると79社)、それ以降も50社前後(IPO全体では90社前後)を推移しています。また、もう一つの出口となるM&Aに関しては、2019年で42件と一定数はありますが、スタートアップ先進国の米国と比べると20分の1程度と少ない状況にあります(あずさ監査法人調査)。 つまり、日本政府の期待や後押しもあり、スタートアップ数は増加傾向にありますが、出口は限られているというのが今の日本のスタートアップの現状です。

スタートアップCxO経験者の価値

ここで重要になるのが「スタートアップCxO経験者」です。 近年、日本でも雇用環境の多様化や人材の流動化は進んでいますが、CxO経験者の流動性は低いままです。 というのも、創業者やCxOなどの経営陣は、顧客や株主、そして従業員等への責任を負っており、簡単に現職を離れることが難しいためです。 米国でも同じ事情がありますが、米国ではM&Aが盛んで、M&Aを通じて別会社が受け皿となり、顧客や従業員の引き継ぎ、そして株式も整理されるためCxOは離れやすい状況となります。 実際、イーロン・マスク、リード・ホフマン、ジャック・ドーシーなど、アメリカ経済を牽引する経営者の多くはスタートアップCxO経験者。彼らが再び起業する(連続起業家/シリアルアントレプレナー)、スタートアップや大企業の中で新規事業を成長させる、そしてベンチャーキャピタルに転身するなどして、アメリカ経済での重要な役割を果たしています。 アメリカ経済ではスタートアップCxO経験者の流動化は非常に重要なポイントになっています。

日本経済復活の鍵となるスタートアップCxO経験者

こうした背景を踏まえると、これからの日本の経済を活性化させるための大事なカギの一つは「スタートアップCxO経験者」だと感じます。 スタートアップでの全体を俯瞰する能力、ゼロから新規事業立ち上げた経験、そしてネットワークやファイナンスの知識。これらは、日本経済全体にとって重要な財産になると確信しています。 しかし、日本ではCxOが現職を離れやすくなるM&Aの件数がまだ少なく、スタートアップCxO人材を再活用出来ていないのが現状。 これは間違いなく、日本経済にとって大きな損失でもあると感じています。 この課題感に共感してくれたのが、パソナマスターズ社です。 今回、同社と一緒にスタートアップCxO経験者の「リスタート」を支援するセミナーを開催することになりました。是非、スタートアップCxOや経験者などで次のキャリアに悩んでいる方はご参加下さい。 さらに今後は、パソナマスターズ社の全面的なバックアップのもと、スタートアップCxO経験者のクローズドなコミュニティを立ち上げる予定です。ここでは、次のステップへと進めるために必要なサービスや環境を整備し、経験豊富な人材が再び挑戦できる土壌をつくっていきます。

スタートアップCXO経験者のリスタートを支援するナレッジ共有セミナー

日時 |2025年9月2日(火)16:00~18:00 会場 |PASONA SQUARE16階(東京都港区南青山3-1-30) 対象 |スタートアップの創業者やCxOとして関わっている方 定員 |20名まで 参加費|無料 申込 |https://cxoseminar.peatix.com/ 主催 |株式会社パソナマスターズ 企画 |Monozukuri Ventures(MZV)

Monozukuri Venturesでは、ハードウェア・ハードテック特化型のVCからみた、製造業・ハードウェア業界動向のご紹介をしています。ご興味のある方はこちらの当社ニュースレターへご登録下さい。

Monozukuri Ventures CEO。愛知県出身、京都に住んで17年。ずっと関西中心にスタートアップに関わる仕事をしています。今は京都の梅小路エリアにてスタートアップ、アーティスト、クリエイターが集うような街づくりにも挑戦中。2児の父親として育児も頑張ってます!!

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