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#009_オープンイノベーションの力:スタートアップ連携による新規事業創出の秘訣

【イベント登壇情報】セミナー「オープンイノベーションの理論とスタートアップ連携の進め方」に弊社CEO牧野が登壇します。 詳細はこちらからご覧ください。このイベントは終了しました。 皆様のご参加、誠にありがとうございました。

Monozukuri Ventures(以下、MZV)代表の牧野です。 これまでハードウェアやディープテック分野のスタートアップに対する投資や試作支援を行ってきました。支援しているスタートアップの多くがBtoBやBtoBtoCのモデルであるため、日本の事業会社への紹介や事業開発も行ってきました。そうした中で、「スタートアップとの連携に関しては積極的に進めたいが、どのように評価や連携したらよいか分からない」といった声を聞いてきました。 そこで、これまで蓄積した知見が多くの企業にとって参考になるのではないかと考え、企業研修用の動画コンテンツを配信するアントレプレナーファクトリー社と連携して、「オープンイノベーションースタートアップとの連携を通じた新規事業創出の進め方ー」というテーマで動画ラーニング用のコンテンツを収録しました。詳細に関しては上記をご覧いただけたらと思いますが、ここではそのエッセンスを紹介したいと思います。

オープンイノベーション、動画コンテンツの目的

グローバル化やネットワーク化が進む中で、外部環境の変化はこれまで以上に激しく、またその変化も加速しています。このため、研究から事業開発まですべてを自社で完結することが難しくなっています。ここで注目されるのが「オープンイノベーション」という概念です。 ただ「オープンイノベーション」という言葉を知っていても、「本当に成果はあるのか」「どのように進めたらよいのか」そんな悩みを抱えている企業が多いのも実情です。そこで、私達がこれまでスタートアップと大企業との連携を通じて得た知見を共有し、より多くの企業が「スタートアップとのオープンイノベーション」に踏み出せるようにしたいと考えています。

オープンイノベーションとは

2003年、カリフォルニア大学バークレー校のチェスブロー博士が提唱した概念で、従来のイノベーションの進め方(=「クローズドイノベーション」)に対して、新たに組織内部のイノベーションを促進するための概念として「オープンイノベーション」という言葉を提唱しました。彼の定義によると、オープンイノベーションとは「企業が自社の技術の価値を高めるため、社内のアイデア同様に社外のアイデアを活用し、事業化に際しては内部および外部の経路の両方を活用する」という考え方です。この概念はその後、広く普及するようになりました。

世界におけるオープンイノベーションの現状

イノベーションというと、多くの方がスタートアップというイメージを思い浮かべるかもしれません。それは事実ですが、コンサルティング会社が発表するイノベーティブランキングには、100年以上の歴史を持つ企業も多数ランクインしています。なぜ100年以上も歴史をもつ会社がイノベーションを継続出来るのか、その鍵が「オープンイノベーション」にあったのです。 例えば、ヘルスケア製品や医療機器などの電気機器関連メーカーのPhilips社は、2000年まで半導体事業が主軸でしたが、ITバブル崩壊で大きく落ち込み、オープンイノベーションへの活用に舵を切りました。その後、2004年に「自前主義からオープンイノベーション活動を積極化」、2010年には「製品の50%に社外技術を取り入れる」という目標まで明示しました。この取り組みにより、業績は回復し、同社は継続的にイノベーションを起こす企業へと転身していきました。 こうしたスタートアップとの連携やM&Aを積極的に行うことで事業拡大している代表例がインターネット検索のGoogle社です。同社はこの20年間で250社以上のM&Aを実施し、動画、スマートフォン、AIなど、現在の主力事業はすべて外部リソースをうまく活用しています。 #003_製造業におけるオープンイノベーションの取り組み方

日本におけるオープンイノベーションの現状と課題

日本でも、2010年以降、スタートアップと連携したオープンイノベーションの取り組みが進んでいます。また、政府は2022年に「スタートアップ5カ年計画」を発表し、ディープテック立国を目指そうとしています。こうした流れに呼応するように、ハードウェアやディープテック領域に投資するCVC設立が増加しており、その大半は製造業企業が中心です。 日本企業ではCVCを通じた出資件数は増加していますが、スタートアップとの連携にはまだ苦戦しており、スタートアップのM&Aも非常に少ないのが現状です。スタートアップとの連携は“言うは易し行うは難し”です。 オープンイノベーションを成功させるためには、まず会社の現状を整理し、その目的を明確にすることが重要です。そして、経営者がコミットして中長期的な視点で協力体制を構築することが不可欠です。さらに、スタートアップと大企業では時間軸が異なるため、双方が歩み寄り、対話をしなければいけません。 この連携を促進する役割として、「ポリネーター」と呼ばれる通訳者の存在が重要になります。「ポリネーター」である、VC/銀行などの外部の専門家をうまく活用し、協業を円滑に進めていきましょう。 #008_日本企業のオープンイノベーション戦略–製造業の新たなる挑戦の時代–

オープンイノベーションの取り組み方

スタートアップとのオープンイノベーションを成功させるためには、以下の5つのステップが重要だと考えています。 ①情報収集 ②コミュニケーション ③連携ストーリーの立案/提案 ④投資も含めた事業連携の仕方 ⑤出口戦略 弊社では、出口戦略の一つとして、オープンイノベーション実践プログラムをご用意していますのでぜひ活用してください。

米国ディープテックスタートアップとのオープンイノベーションの可能性

最後に、米国スタートアップとのオープンイノベーションの可能性について触れたいと思います。米国のスタートアップといえばシリコンバレーという印象を持たれている方も多いと思いますが、ディープテック分野では東海岸や中西部にも注目が集まっています。 これらの米国ディープテックスタートアップは、長期的な関係性構築を求めているため、日本企業との連携にも大きな期待を寄せています。私たちは、日本企業がオープンイノベーションを通じて、世界中のディープテックスタートアップの開発や製造をサポートできるようになればと考えています。 まだまだすべての期待に応えられていない部分もありますが、少しでもオープンイノベーションの環境を改善できればと思っています。お悩みがあれば、ぜひお気軽にお問い合わせください。

MZVのオープンイノベーションのサービス一覧

・動画ラーニング用コンテンツ  オープンイノベーションースタートアップとの連携を通じた新規事業創出の進め方ー ・オープンイノベーション実践プログラム  オープンイノベーション実践ツアーについて ・アクセラレーションプログラム  KAP(KYOTO ACCELERATION PROGRAM)  A-MAP(Aichi Manufacturing Acceleration Program)  DAP(DEEPTECH & AI ACCELERATION PROGRAM) ・新規事業の生み出し方や継続の仕方を情報交換するコミュニティ  KAPサロン ・その他、開催イベント、過去のイベントレポートなど  EVENTページ

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Monozukuri Ventures CEO。愛知県出身、京都に住んで17年。ずっと関西中心にスタートアップに関わる仕事をしています。今は京都の梅小路エリアにてスタートアップ、アーティスト、クリエイターが集うような街づくりにも挑戦中。2児の父親として育児も頑張ってます!!

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