＃020_スタートアップ連携の第一歩、スタートアップ探索の仕方

2025.12.12 By MAKINO

Monozukuri Ventures（以下、MZV）代表の牧野です。今回は「スタートアップ連携の第一歩」として、スタートアップの探索方法についてお話しします。 2025年6月にスタートアップと製造業企業のオープンイノベーションを促進するプラットフォーム「モノづくりイノベーションラボ(Monozukuri Innovation Lab、MIL)」を開始しました。この取り組みには多くの反響をいただいていますが、一方で「そもそもどのようにスタートアップを探索すれば良いのか？」という質問も多く寄せられました。そこで今回は、スタートアップ探索の観点からブログを書いてみたいと思います。

スタートアップ探索の2つの方法：プッシュ型とプル型

スタートアップの探索には、大きく分けてプッシュ型、プル型の2つがあります。

■ プッシュ型：自ら探しに行く方法

プッシュ型は、企業自らがウェブサイトやイベント等に参加し、スタートアップにコンタクトして発掘する方法です。たとえば、ウェブサイトでは「PR Times」等で資金調達のニュースを確認できますし、「Speeda」や「StartupSearch」といったスタートアップ特化型のデータベースも存在します。また、イベントでは「Innovation Leaders Summit(ILS)」のようにスタートアップとの連携を目的としたイベントも開催されており、イベントに参加してスタートアップを見つけ、コンタクトする手法もあります。プッシュ型は既存事業の課題解決を探る上で有用な手段となりますが、スタートアップの数や類似技術も多く、個人的にはプッシュ型でスタートアップを発掘するのは容易ではないと感じています。

■ プル型：情報が集まる仕組みをつくる方法

一方、より効果が高いと感じるのはプル型です。プル型は、スタートアップ側から問合せが来る、あるいはVC等の仲介者と連携し、情報が入ってくる仕掛けや仕組みを作る方法です。具体的には、企業自らが課題やテーマを提示してスタートアップを募集するケースがあります。バイエルのオープンイノベーションプログラム「G4A」や、三菱電機のアクセラレーションプログラムなどが代表的な例です。もう一つのプル型として、VCへのLP出資や、CVCの設立によって、スタートアップの情報を継続的に得る仕組みをつくる方法もあります。プル型では「スタートアップにどのように認識してもらうのか」というマーケティング的な観点が非常に重要になります。

目的を明確にすることが何より重要

スタートアップ探索の方法は様々ありますが、大切な事は「何のためにスタートアップと連携するのか？」という目的を明確化することです。ビジョンや目的を明確にした上で、プッシュ型やプル型を組み合わせる事が重要だと思っています。

探索はあくまで“最初の一歩”

スタートアップを発掘すること自体は、あくまで最初の一歩です。重要なのは、そこから売上向上・新規事業創出・業務効率化といった成果に結びつけること。そのためには、連携を促進する企業文化、組織体制、そして予算(先行投資)といった基盤がかかせません。スタートアップとの連携には時間がかかり、かつリスクも伴います。スタートアップには欠点があるのも事実ですが、その粗探しをするのではなく、「良いところをどのように伸ばすのか」という姿勢が非常に大切だと感じています。「モノづくりイノベーションラボ」では、各企業が抱える課題に応じて、目標達成までのステップをサポートすることを目指しています。ぜひ積極的に活用していただければと思います。スタートアップの見極め方については、以下のブログが参考になればと思います。＃002_VCはハードウェアスタートアップに投資するときどこを見ているのか？

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